日本全国で年々増えていく「空き家」。空き家だけでなく空き店舗も増加しており、街のスラム化や荒廃、老朽化による危険性など、さまざまな問題が懸念されています。中古住宅(空き家)の流通促進の他、空き家の有効活用への対策も急務です。そんな中、空き家の有効活用法として注目されているのが「レンタルスペース」です。
レンタルスペースとしての空き家の活用例
不動産業者や地方自治体、もしくは個人などが、使われていない空き家を有効活用する方法として、「レンタルスペース」というスタイルが注目されています。使い方1つで人が集い、街に活気が生まれるきっかけとなることもあるようです。具体的な活用事例を下記にまとめました。
ギャラリーとして
「週末ギャラリー」として、工芸品や絵画などの作品を、土日にのみ展示するケースなどがあります。趣味を披露したいと考えている方は意外と多く、低コストで実現できるレンタルスペースは魅力的だと言えます。
~関連情報~
島根県出雲市大社町の空き家の古民家を改装したギャラリーに関する記事
ワンデーショップ会場として
ハンドメイド品をはじめ、趣味で作った作品を販売するためのスペースとして活用。利用者にとっては、店舗を構えるよりも気軽にトライできる、というメリットがあります。
アーティストのイベント会場として
歌や楽器などのミニコンサート会場として活用したり、トークイベント会場として利用したりすることができます。ミニコンサートの場合、古民家でライトアップをしてノスタルジックな雰囲気を作ることも可能です。
地域のコミュニティ・スペースとして
子ども会のイベント会場や自治会の集まりなど、地域の方が交流するためのスペースとして活用することができます。
~関連情報~
大阪・京橋地域の空き家を活用して地域交流の場にしようという取り組みに関する記事
リノベーションスクール
古い空き家を利用した「リノベーションスクール」や「DIYリノベーションスクール」の開催がされることもあります。参加者は、実際にリノベーションやDIYの方法を学ぶことができ、所有者にとっては古くなった家がきれいに生まれ変わるというメリットも。
所有者以外も空き家をレンタルスペースとして活用が可能
空き家をレンタルスペースとして活用できるのは、空き家の所有者だけではありません。
空き家を所有していない企業や個人が、地域活性化などのため、空き家の所有者とレンタルスペースを探している方の間に立って両者をマッチングさせ、空き家をレンタルスペースとして活用しているケースもあります。
両者をマッチングさせるためには、貸し手と借り手とのニーズが合致している必要があります。ここでは、その具体的な事例をまとめました。
空き家見学ツアー
その地域にある、複数の空き家を巡るツアーを企画。家の持ち主が同行して、具体的な使い方の交渉を直接したり、室内を実際に見ることで、用途のイメージを膨らませたりすることができます。
空き家をリノベーションして展開
レンタルスペースとして貸し出す前に、空き家にリノベーションを加えるという方法もあります。壁を撤去して広いスペースを作ったり、2階の床を取り払って吹き抜けの開放的な空間に変えたりすることで、幅広い活用方法が生まれていきます。
ホームページでPRする
地域にどのような空き家があるのか、どういった活用ができるのかなど、それぞれの空き家についての具体的な情報をホームページに掲載することで、たくさんの人に情報を届けることができ、マッチングの確率が上がるはずです。
空き家に人が集まれば、その街は少しずつ活気を取り戻していきます。空き家をレンタルスペースとして活用するという方法は、今後深刻化する空き家問題の有効な解決策の1つだと言えるのではないでしょうか。