一般的に、住まいの外壁は10年ごとに塗り替えるのが理想的だと言われています。では、親から相続したまま使っていない、空き家の場合はどうでしょうか?「どうせ誰も住んでいないのだから、わざわざ費用をかけてまで塗装をする必要はない」と考える方は多いと思います。しかし、空き家であっても、定期的に外壁の塗装を行うことがとても大切なのです。
家の壁を塗装しないとどうなる?
家の外壁塗装は、住まいのメンテナンスの中でも特に重要な項目の1つで、外観の美しさを保つだけでなく、外壁の性能を維持するためにも欠かせないものです。では、家の外壁を塗装しないと、その建物はどうなってしまうのでしょうか?
家の外壁は、紫外線や雨風のダメージを最もダイレクトに受ける部分です。そこで、外壁の表面にアクリル樹脂やフッ素樹脂などを塗装することによって、こうしたダメージから壁の内側を保護しています。
ところが、この外壁の表面塗膜は経年によって劣化するため、そのまま放置しておくと、壁の内部にまで水が侵入して、構造部分を傷めることになるのです。構造部分に不具合が生じてしまうと、それを補修するのに莫大な費用がかかってしまうことも珍しくありません。そのような事態を避けるためにも、定期的な壁の塗り替えが不可欠だというわけなのです。
家の壁を塗装する時期の目安
では、外壁の塗り替えは、どれくらいの期間を目安に行えば良いのでしょうか?使われている塗料の種類によって、塗り替えのタイミングは異なりますが、一般的にはアクリル樹脂系で6~8年程度、フッ素樹脂系で15~20年程度、サイディング(板状外壁材)は5~10年程度が目安だとされています。
ただし、日が当たりやすかったり、雨が当たりやすかったりする場所の場合、劣化のスピードが早くなることもあるので、塗り替え期間の目安にこだわらず、劣化のサインを見逃さないようにすることも大切です。劣化してきた外壁の主な特徴は、以下の通りです。
- 塗料の光沢が低下してきた
- 塗膜が劣化して、チョークのような粉が出ている(チョーキング現象)
- 塗膜がでこぼこ浮いてきている
- 塗膜がペリペリと剥がれてきている
- カビやコケが発生している
- ひび割れができている
空き家の壁も塗装が必要になる理由
上述したように、外壁の塗り替えは、家の寿命を伸ばすためにも大切な作業であり、人が住んでいない空き家の場合も同様に、定期的な外壁の塗り替えが必要です。実際に住んで生活をしていれば気が付くような家の劣化も、空き家となるとなかなか気が付かないまま劣化が進行してしまうことがあります。
外壁の劣化は、家の構造にもダメージを与えることがあるので、定期的にチェックを行い、必要に応じた塗り替えをするようにしましょう。
空き家の外壁塗装は老朽化を防ぐだけでなく、建物の資産価値を保つためにも大切なことです。現在住んでいる家の外壁を塗装するのと同様に、空き家にも定期的な塗装を行っていきましょう。