空き家を売却する際に注意すべきこと

空き家を売却する際に注意すべきこと

親から譲り受けた実家を活用できず、適切に管理されないまま放置される空き家が年々増加し、社会問題となっています。両親との思い出が詰まった大切な財産を、他人の手に渡すのは容易ではありませんが、時間が経つほど建物は劣化し、買い手や貸し手がつかない状態に陥ってしまいます。そのため、できるだけ早く専門の不動産業者に相談し、さまざまな選択肢について検討しておくと安心です。
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空き家を売却するメリットとは

管理が難しい上に、将来的に活用の予定のない空き家は、売却か賃貸への転換、解体を選択しなければなりません。何もせず放置しておけば、たちまち廃墟と化し、資産価値を低めるだけではなく、周辺住民の方の居住環境に悪影響を与える恐れのある「特定空家等」に指定される恐れがあります。

「特定空家等」に指定されると、固定資産税の軽減措置対象から除外され、大幅な増税を強いられます。また、行政代執行により強制的に立ち入り調査や撤去命令が下され、高額な解体費用を負担しなければなりません。

そのため、空き家は早い段階で活用方法を検討するのが得策です。早い段階で空き家を売却することができれば、管理責任や固定資産税、都市計画税の負担からも解放され、なおかつ不要になった空き家を現金化することができます。

空き家を売却するときにかかる費用

空き家を売却するときに、建物のリフォーム費用以外で事務手続きに必要となる主な費用は以下の通りです。

印紙税

不動産売買契約書に貼る収入印紙代です。現在、平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間に作成された契約書の中で、記載金額が10万円を超えるものに関しては、印紙税が軽減されています(平成28年1月時点)。

売却価格が500~1,000万円以下の場合は5,000円で、1,000~5,000万円の場合は1万円分の収入印紙を購入しておきましょう。

仲介手数料

不動産会社を通して物件を売却する場合、契約が成立した時点で仲介手数料を支払います。
仲介手数料は、売却価格が200万円以下の場合、売却価格の5%以内、200~400万円以下なら4%以内、400万円を超える場合は3%+6万円と言われています。

売渡証書の作成にかかる費用

所有権移転登記時に必要な書類作成にかかる費用です。

抵当権抹消登記にかかる費用

売却する不動産に抵当権をつけている場合には、必要になります。

空き家はいつ売却すべき?ベストな時期と注意点

空き家を売却した場合、売却によって得られた譲渡所得に対し、所得税と住民税が課税されます(譲渡益課税)。譲渡所得とは、売却金額から売却にかかった印紙代や、仲介手数料などの諸経費を差し引いた金額を指します。

所得税や住民税は、所有年数が5年以下で最も高く、5年超、10年超と期間が長くなるほど税率が低くなる仕組みになっています。

ただし、空き家を含むマイホームの場合は、特例措置を受けることができます。住まなくなった日から3年目の年末までに売却すれば、譲渡所得から最大3,000万円まで控除される特例が適用されます。また、空き家を譲渡した年の1月1日時点で、その所有期間が10年を超えていれば、さらに税率の軽減措置が適用されます。

つまり、空き家になったら「3年以内」に売却するのが、最適なタイミングと言えます。(ただし、建物を取り壊してしまったときは、上記の内容が変わるので注意してください。)

また、平成28年度税制改正により「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されたため、一定の要件を満たせば、相続した空き家の譲渡に係る譲渡所得について3,000万円特別控除の適用を受けることができるようになりました。この場合は、「相続開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡を行うこと」という要件があります。

いざ、空き家を売却しようと考えても、売却価格や手続きにかかる費用内訳を把握しにくく、なかなか決断できない場合も多いでしょう。売却のタイミングによっては課税額が大きく異なる可能性があるため、空き家の売却を検討し始めたら、できるだけ早い段階で空き家(不動産)に関する総合アドバイザーである「空き家サポーター®」にご相談ください。大切な資産である空き家を賢く売却しましょう。

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