空き家は宿泊施設としても活用できる?

空き家は宿泊施設としても活用できる?

皆さんは、近ごろ話題の「民泊」という言葉をご存知でしょうか?これは、日本に来ている外国人観光客を個人が所有するマンションの空部屋や、住宅の空室に有料で泊める新しい宿泊形態のことで、今注目されています。では、もし親から相続した家が空き家となっている場合、宿泊施設として活用することは可能なのでしょうか?

空き家は宿泊施設として利用できるのか

数年前から海外では、個人が所有する空き家を観光客に宿泊施設として、貸し出すサービスが人気です。ホテルに滞在するよりも、比較的割安で利用することができ、現地の文化や生活をより身近に体験できる点が注目され、急成長を遂げています。

少子高齢化が進む日本では、空き家の増加が深刻な問題となっていますが、海外のように空き家を宿泊施設として活用することは、果たして可能なのでしょうか?

日本には「旅館業法」という法律があり、都道府県知事の許可無く個人の家を観光客に貸し出すことは、この法律によって禁止されています。しかし例外として、「国家戦略特区」のエリアにある一部の空き家に関しては、さまざまな法規制が緩和されるため、旅館業法による制限はなくなり、宿泊施設として観光客に貸し出すことが認められているのです。

国家戦略特区の設定とその背景

国家戦略特区とは、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」に次ぐ、アベノミクス第3の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」の要として生まれた、経済特別区域構想のことです。該当地域では、大がかりな法改正をせずに規制緩和ができ、停滞している日本経済を牽引することを目的として打ち出されました。

使われていない空き家を宿泊施設として活用する、というサービスは一部の国家戦略特区域でのみ認められており、少子高齢化の進行により今後さらに増えることが懸念されている「空き家問題」と、2020年に開催が予定されている「東京オリンピック」での、外国人観光客の宿泊先不足の解決策として、その効果が高く期待されています。

国家戦略特区に指定された地域とは

現時点での国家戦略特区エリアは、東京都、神奈川県、千葉県成田市を含む「東京圏」、大阪府、京都府、兵庫県を含む「関西圏」、「兵庫県養父市」、「新潟県新潟市」、「福岡県福岡市」、「沖縄県」、「秋田県仙北市」、「宮城県仙台市」、「愛知県」といった地域が選ばれています。
これらの特区では、それぞれどの分野の規制緩和が行われるかが定められています。詳しくは以下の通りです。

  • 東京圏/外国人在留資格の見直し、イノベーションを促進する拠点
  • 関西圏/再生医療をはじめ、高度な先端医療の研究開発拠点
  • 兵庫県養父市/中山間地域における、耕作放棄地の再生などの拠点
  • 新潟県新潟市/農業者の経営基盤の強化、農地の集積などの農業改革拠点
  • 福岡県福岡市/ベンチャー企業などの雇用条件の整備、起業を促進する雇用改革拠点
  • 沖縄県/観光リゾート地の整備による、国際観光拠点
  • 秋田県仙北市/最先端の地方創生、国際交流の促進による、農林や医療などの交流拠点
  • 宮城県仙台市/女性や若者、シニアの起業促進の拠点
  • 愛知県/産業人材育成のための教育、雇用の改革拠点

なお、国家戦略特区は、国が主導となって方針やエリアの選定を行っており、今後エリアが拡大される可能性もあります。
現在、関西圏に当たる大阪府の議会では、一部の市町村において空き家を宿泊施設として活用するための条例が制定されており、
東京圏にある大田区においては、2016年1月から、一定の条件下にある空き家を宿泊施設として利用するために住宅の空き部屋などに旅行客を有料で泊めることを認める民泊条例が施行されました。こちらは国家戦略特区を使った全国初の事業です。

~関連情報~
大田区の「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」に関するページ

国家戦略特区エリアに空き家を所有している場合は、宿泊施設として利用することで有効活用ができるケースがあります。上記を参考に、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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